帳票作成・出力管理をOpenPrintで標準化
集中管理・分散出力を実現することでオペレーションコストの削減に成功

「SIGMA21プロジェクト」と呼ばれる情報インフラの再構築プロジェクトを進めている住友商事。ここでは帳票作成・出力管理の基盤としてOpenPrintが活用されている。SIGMA21では基幹系システムにSAP R/3、経営情報システムにJavaアプリケーションが利用されているが、これら両方の帳票出力をOpenPrintで統合しているのだ。これによって集中管理と分散出力を同時に実現し、ペーパーレスの推進とオペレーションコスト削減に成功。十分なレスポンススピードと高い安定性によってユーザの利便性も高めている。

 

業種

流通・サービス業/卸売


 

導入の背景

SAP R/3を中心に情報インフラを再構築
その帳票機能をOpenPrintで実現

ERPによって基幹系システムを刷新する。このような取り組みは欧米を中心に広がってきたが、最近では日本でも浸透しつつあり、すでにERP導入に着手している日本企業も珍しくなくなってきた。その目的としては、業務のスピードアップ、プロセス標準化によるグループ企業との連携強化など様々なものがあるが、ERPを企業競争力強化の基盤として活用する企業は、間違いなく増えているといえるだろう。
しかし、ERPパッケージを導入すればそれで十分、というわけでは必ずしもない。業務プロセスの改革や企業組織の見直しなど、システム以外における取り組みも重要であることは、すでに"常識"になっているといえるだろう。しかし実はシステム機能の面でも、ERPパッケージの補完が求められることがある。たとえばオーバーレイに対応した帳票出力などは、その代表的なものだ。帳票に関するきめ細かい要求は日本企業特有のものだといわれており、グローバルレベルのベストプラクティスでは十分に対応できないケースも少なくないのである。

このような問題に直面した場合、選択肢は大きく3つある。まず第1はグローバルなベストプラクティスに合わせるために、業務形態そのものを変えてしまうこと。第2はERPパッケージに機能を追加(アドオン)すること。そして第3はパッケージ外部にサブシステムを用意し、それによって不足する機能を補完するという方法だ。このうち第3の方法でSAP R/3上での帳票処理を実現したのが、「SIGMA21プロジェクト」と呼ばれる情報インフラ再構築プロジェクトを進めている住友商事である。

住友商事がSIGMA21プロジェクトに着手したのは1999年。連結経営に必要な情報提供をスピードアップし、経営判断と現場への指示をタイムリーに行える基盤を確立することが目指されたのである。2000年にはSAP R/3による基幹系システムの構築が始まり、2001年春には連結会計機能が本番稼働を開始。これと同時に「GMC(Global Management Cockpit)」と呼ばれる、Javaベースの経営情報システムも動き始めている。さらに2002年4月には基幹系システムの中核ともいえる会計機能が本番稼働に入り、その後も営業系システムが順次SAP R/3上で稼働を開始、2004年春には移行が完了する予定になっているのだ。

これらのシステムの帳票処理機能を担っているのが、OpenPrintである。住友商事では2000年1月に帳票用サブシステム構築の検討に着手。3月に各社から提案を受け、7月にOpenPrintの導入を決定する。そして2001年5月にGMC用の帳票処理機能、2002年4月にはSAP R/3用の帳票処理機能が動き出しているのである。

住友商事株式会社 SIGMA21推進部 課長 赤石 俊也 氏

住友商事株式会社
SIGMA21推進部
課長 赤石 俊也 氏

 

システムの課題

具体的なサイジングを唯一提示
高く評価された日本ヒューレット・パッカードの提案内容

「帳票サブシステムの構築で求められた要件は、大きく4つありました」と、住友商事でSIGMA21推進部 課長を務める赤石氏は説明する。まず第1はオーバーレイプリントをサポートしていること。サブシステム構築の最大の目的は、SAP R/3のオーバーレイ機能を補完することにあったのだ。「商社の業務では客先によって帳票の形式が異なるため、200種類に上るフォームを用意しなければなりません」と赤石氏。これだけの数のフォームを短期間で開発し、運用管理の負担も軽減するには、しっかりとしたオーバーレイ機能が欠かせないという。

第2の要件は集中管理と分散出力を同時に実現できることだ。従来のメインフレーム集中型で基幹系の処理を行っていた頃には、帳票をセンター側で出力し、それを各部門に配送していた。国内だけでも30拠点を持つ住友商事にとって、これらの拠点向けに帳票を仕分け・配送するために相当な手間がかかっていたという。帳票を集中管理しながら出力を各拠点で行えるようにすることは、作業負荷を減らし運用コストを削減する上でも重要なポイントなのだ。

第3はペーパーレス化を実現可能なこと。これはSIGMA21プロジェクトの柱のひとつであり、従来のメインフレーム時代の1/4にまで帳票出力を削減することが目指されている。社外に提供する帳票は紙で用意する必要があるが、社内で使う帳票は必ずしも印刷する必要はない。これをペーパーレス化できれば、消費される紙の量や必要なプリンタ数が削減され、大きなコストダウンに結びつく。

そして第4はスケーラビリティの確保である。出力される帳票量を従来の1/4にまで削減するとはいえ、それでも出力量は膨大である。これらを安定して出力するには、十分なキャパシティと拡張性が要求されるのだ。

住友商事はこれらの要件を満たすために、複数のITベンダから提案を募り、評価ポイント毎に得点をつけることで、総合的に評価を進めていった。その結果、4社に絞り込み、さらに徹底した比較検討を行った上で、最終的に日本ヒューレット・パッカードの提案を採用するのである。

「日本ヒューレット・パッカードの提案内容は非常に優れていました」と振り返るのは、SIGMA21プロジェクトのプライム・コントラクターとしてプロジェクトを推進する、住商情報システムの奥田氏だ。特に運用性とスケーラビリティに関する提案内容は、ユニークなものであったという。たとえば日本ヒューレット・パッカードは唯一UNIXを利用した集中サーバ型を提案。運用管理を集中化することで、運用コストを削減できるようにしてあった。またスケーラビリティに関しても、論理的な提案内容だったという。「最終的な帳票量が予測しにくいという状況にもかかわらず、明確な根拠を示しながらサイジングを行ってくれました。」

その一方でOpenPrintの運用性の良さも高く評価されている。「OpenPrintは運用画面にコマンド・ユーザー・インターフェース(CUI)を採用しており、GUIを採用している製品に比べて地味な印象を受けます」と指摘するのは、住商情報システムの市村氏。しかしコマンドインターフェースの方が処理を自動化しやすいため、多数のプリンタ管理を行うにはむしろ有利なのだという。「運用で重要かつ大切なのは、見た目よりも実際の機能と使い勝手です。この点でもOpenPrintを採用して正解だったと思います」

 

住商情報システム株式会社 産業システム第一事業部 トレードビジネス ソリューション第一部 部長付 市村 尚登 氏

住商情報システム株式会社
産業システム第一事業部
トレードビジネス
ソリューション第一部
部長付 市村 尚登 氏

システム概略図
 

システムの効果

日本ヒューレット・パッカードコンサルティングも構築に協力
製品への要求にも迅速に対応

ここでもうひとつ注目したいのは、OpenPrintによって帳票作成・出力管理の全社統合を実現している点だ。これによって帳票関連の仕様を標準化でき、システムに新機能を追加する場合でも帳票関連の設計を行う必要がなくなっている。また技術的なノウハウの蓄積も容易になった。OpenPrintは単に帳票機能を補完するというだけではなく、ア プリケーション開発やシステム全体の運用にも大きなメリットをもたらしているのである。

このような成功の最大の要因は適切な製品選択にあるが、日本ヒューレット・パッカードコンサルティングの協力的な姿勢も大きな貢献を果たしているといえそうだ。日本ヒューレット・パッカードコンサルティングはシステム構築のテクニカルサポートを提供しただけではなく、住友商事のリクエストに応じて製品そのものに手を加えることまで行っている。また住友商事向けに追加・拡張された機能が、すぐに製品に反映されている点も特筆すべきことだといえるだろう。これによって製品をバージョンアップする際も、追加機能の移行を意識する必要がなくなっているのだ。「これほどまでに柔軟な対応をしてくれるとは思いませんでした」と赤石氏。そして、その対応も思った以上に迅速だったという。

従来のメインフレームによるセンター集中出力から、各拠点毎に設置されたプリンタによるオンデマンド出力へ。これによってユーザの利便性は大きく向上し、オペレーションコストの削減も可能になった。現在はまだSIGMA21への移行が進みつつある"過渡期"であるため、メインフレームの帳票出力はまだ残っているが、2004年にはすべての基幹系アプリケーションはSAP R/3に移行する。OpenPrintはこれからさらに重要な役割を担うと共に、これまで以上に大きな効果を発揮することが期待されている。

 

会社概要

住友商事株式会社

所在地:東京都中央区晴海1-8-11

URL:http://www.sumitomocorp.co.jp/ 

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導入ハードウェア

  • HP Integrity rx2660

導入ソフトウェア

  • OpenPrint/ASM
  • OpenPrint/MAID
  • OpenPrint/FORM プリントエンジン
  • OpenPrint/intranet

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