デジタルカメラに代表される映像機器や内視鏡などの医療機器を中心として成長を見せるオリンパス。「Social IN」というスローガンのもとで業務改革に取り組み、これまでメインフレーム上で運用していた基幹システムをオープン系へと移行した。その過程で浮上した帳票の課題を解決するため、OpenPrint ソリューションを導入。レイアウト設計からスプール管理、百数十台に及ぶプリンタキューの一元管理までを実現した。

 

業種

製造業


目的

会計システム、人事システム、修理サービスシステム、医療系販売物流システム、映像系販売物流システムなどの基幹システムをメインフレームからオープン系システムへ移行するにあたり、その帳票処理を担うシステムを実現する。


アプローチ

OpenPrint ソリューションを導入。リアルタイム性が要求される伝票類を全てOpenPrint ソリューションでハンドリングし、かつ全国各地の拠点、一部海外拠点に分散している百数十台のプリンタキューを一元管理する。


システムの効果

システム要件(レガシーシシステムと同等の仕組み)を満たし、運用の効率化を実現できた。従来はアプリケーションごとに管理していた帳票を、上流の基幹システム業務から切り離して一元的に管理できるようになった。


ビジネスへの効果

OpenPrint ソリューションはパラメータ設定を容易に変更ができる。この柔軟性を活かし、帳票の印刷などに関して、各拠点から寄せられるさまざまなカスタマイズ要求にもきめ細かく、なおかつスピーディに対応することが可能となった。

 

お客様背景

オリンパスならではの価値創造のあり方を追求

「Opto-Digital Technology(光学デジタル技術)」を基盤技術として、デジタル一眼レフカメラに代表される映像・情報分野、世界シェア約7割を誇る消化器内視鏡などの医療機器分野に特に強みを持つ世界的な企業へと成長を遂げたオリンパス。同社は現在、「Social IN」すなわち「顧客原点に立って、社会に価値を提供すること」を企業理念とし、事業を展開している。

例えば、「BRAVE CIRCLE」という大腸がん撲滅キャンペーンもその一環だ。これは、財団法人日本対がん協会の後援のもと、大腸がん検診の受診を促進し、早期発見を啓発することを目的に2007年2月から行われている。

もちろん、改革の目はオリンパス自身にも向けられている。「Social IN」の目的のためには何が最善かを、従来の常識や既成概念にとらわれることなく、広角的な視野に立って模索してきた。

「社会への価値提供」する企業として真価を発揮するために、オリンパスは、グローバルな市場での競争優位を目指して「成長性」「収益性」「ブランド力」の向上を重点目標に掲げた。「スピード最優先」「選択と集中」「効率の追求」「意識改革」という経営方針のもと、全面的な業務の見直しを図ったのである。具体的には、社内カンパニー制の導入、国内販社の統合、研究開発部門の機能別再編、海外法人の再編、主要事業である映像事業と医療事業の分社化など、組織の大改革を進めてきた。

基幹システムをメインフレームからオープン系へ、その過程で浮上した「帳票問題」

大幅な組織改革に伴い、オリンパスは2002年から、情報システムの全面的な再構築を推進している。それまでオリンパスの基幹系システムは大部分がメインフレーム上に構築されていたのだが、変化対応力のあるシステム基盤の構築と顧客原点からの業務プロセス改革を目的として、段階的にオープン系への移行を進めてきたのである。

具体的には、ERPパッケージのSAP R/3 Enterprise をベースとして基幹系システムを再構築し、会計システム(2002年4月稼働)、人事システム(2004年10月稼働)、修理サービスシステム(2005年5月稼働)、医療系販売物流システム(2006年5月稼働)の4つのシステムをオープン系へ移行してきた。

しかしながら、この過程で直面したのが帳票の問題である。オリンパス株式会社IT基盤技術部 運用基盤グループの課長代理を務める金澤克則氏は、次のように語る。

「社内的に業務改革を行うにしても、対外的にやりとりしている帳票まで、ある日突然、当社の都合によって勝手に変更することはできません。従来メインフレームで行っていた帳票設計や帳票出力の機能をオープン系システムでもカバーし、営業部門や経理部門などのユーザに提供する必要がありました」

オリンパスが扱う帳票は大きく分けて、注文書や納品書などのリアルタイム性が要求される伝票類、毎月決まった日にセンターで一括処理する請求書などの大量帳票、そして長期保存やイントラネット上での利用を目的とした電子帳票の3種類がある。これらを統合して業務アプリケーションをサポートする総合帳票システムが求められたのである。

業務処理そのものは、ERPパッケージを導入することで実現できるが、SAP R/3 Enterpriseなどのソフトウェア製品が、こうした帳票関連の機能まで含んでいるわけではない。したがって、オープン系の総合帳票システムは、上流に位置するERPパッケージとのインタフェースを確保し、緊密な連携のもとで帳票データをやりとりする独立したシステムとして構築する必要がある。

しかも、そこでは帳票レイアウトの設計からネットワーク上に分散している大量のプリンタの管理、出力ジョブの管理、Webブラウザからのアクセスの実現など、多岐にわたる要件を満たす必要がある。複数のソフトウェア製品やモジュールを組み合わせることによって、ようやく実現することができるのだ。

「そうしたソリューションの選定もさることながら、それをどんなサーバ上に実装し、どのように運用していくのかなど、検討しなければならない課題はどんどん膨らんでいきます。こうしたことをトータルにコンサルティングし、サポートしてくれるベンダがなかなか見つからなかったのです」と金澤氏は当時を振り返る。

オリンパス株式会社 IT基盤技術部 運用基盤グループ 課長代理 金澤 克則 氏

オリンパス株式会社
IT基盤技術部
運用基盤グループ
課長代理 金澤 克則 氏

 

ソリューション

OpenPrint ソリューションをベースに帳票処理の一元化を実現

そこで2004年10月オリンパスは、オープン系への移行に着手していた医療系販売物流システムに対応する総合帳票システムの要件をまとめ、多くのベンダから提案を募ることにした。そうした中で目にとまったのが、OpenPrint ソリューションを軸とした日本ヒューレット・パッカードの提案である。

「オリンパスは全国各地に営業拠点やグループ会社を展開しており、トータルで数十台に及ぶレーザープリンタが分散配置され、オンラインで結ばれています。また、これらのレーザープリンタの中には小規模な複数の近隣拠点で共同利用しているものも多く、組織単位での論理的な構成で見た場合には、百数十台の規模になります。これらの大量のオンラインプリンタを管理し、各拠点からの伝票出力の要求に対して即時印刷が可能なこと、またその処理を一元化して効率化することが、私たちの目指した総合帳票システムの最大の課題の1つでした。この要件に最も的確に応えてくれたのが、日本ヒューレット・パッカードの提案するOpenPrint ソリューションだったのです」(金澤氏)

こうしてオリンパスは、OpenPrint ソリューションを採用し、それをベースとした総合帳票システムを構築したのである。医療系販売物流システムと歩調を合わせて2006年5月に稼働を開始した総合帳票システムでは、次のようなプラットフォーム構成のもと、OpenPrint ソリューションの各モジュールを導入している。

帳票管理サーバ

(本番プライマリ機:HP 9000 rp4440 × 1、本番セカンダリ機兼テスト機:HP9000 rp4440 × 1、開発機:HP 9000 rp3410 × 1)

  • OpenPrint/MAID
    テーブル管理による帳票データと書式の組み合わせや、帳票作成オプションなどの各種パラメータの管理を行うアプリケーションインタフェース機能を提供する。アプリケーションがOpenPrint/MAID APIを利用することで、SAP R/3 Enterpriseと総合帳票システム間の帳票データのやりとりを実現。
  • OpenPrint/ASM
    メインフレーム並みの印刷管理やプリンタ管理の機能を提供し、大量高速印刷、分散印刷、高度なスプール管理を効率的に実現する。医療系販売物流システムに関連するものでは、全国の拠点トータルで1日あたり1500帳票の印刷処理を管理・コントロールしている。
  • OpenPrint/FORM プリントエンジン
    レイアウトエディタで作成されたレイアウトとソリューション定義を基に、アプリケーションが作成した帳票データを指定されたプリンタ制御言語、またはPDFファイルに変換する。本システム内ではSAP R/3 Enterprise以外のWindowsアプリケーションシステムからOpenPrint/MAID経由で呼び出され、作成したPDFファイルをWindowsアプリケーションへ返送するために利用されている。
  • OpenPrint/intranet
    OpenPrint/ASMへWebサーバ経由でアクセスする環境を提供し、多岐にわたる帳票運用を手元のWebブラウザから可能にする。管理者やユーザは、スプールされたジョブをWebブラウザから監視・コントロールできるほか、帳票内容をPDF形式で閲覧することができる。

帳票設計環境

(Windows PC)

  • OpenPrint/FORM レイアウトエディタ
    ページプリンタ、ラインプリンタに対応した帳票レイアウトをWindows環境で簡単に作成できる。プレビュー機能を利用し、実際にプリンタに出力されるときの帳票イメージを画面上で確認しながら開発することが可能。文字の傾斜や印字位置の微調整、バーコードやイメージ、複葉帳票対応など、多彩な帳票作成機能を備えている。オリンパスでは現在、十数名のユーザがこのOpenPrint/FORM レイアウトエディタを利用し、帳票設計にあたっている。
 

効果と今後の展望

帳票運用における管理工数を削減

本格的な運用を開始した総合帳票システムは、ねらい通りメインフレームからオープン系への帳票の移行を実現した。また、従来からあった機能を単にそのまま継承しただけではなく、オリンパスにおけるITシステムの運用体制にも大きなメリットをもたらした。帳票管理に要していた工数を大幅に削減したのである。
「メインフレーム上で行ってきた帳票運用の体制と単純に比較することはできませんが、従来はアプリケーションごとに管理していた帳票を、上流の基幹システム業務から切り離して一元的に管理できるようになったのは非常に大きな成果です」と金澤氏は評価する。

「2006年5月に総合帳票システムがカットオーバーした当初から運用に携わってきましたが、OpenPrint ソリューションは、他社製のジョブ管理ツールなどとも緊密な連携が図られており、基本的に1つのコンソール上にあがってきたエラーメッセージに対応するだけで済みます。また、新しい業務や拠点、プリンタなどの登録も一括して行うことができます。管理担当者としてストレスを感じることはほとんどありません」

そう語るのは、実際に総合帳票システムの運用を担うオリンパスシステムズ株式会社ビジネスシステム開発部カスタマーサポートグループの恩田諭氏だ。

また、同グループでユーザ対応を担当する森正大氏は次のように言葉を続ける。

「全国各地の拠点からは、帳票の印刷に関して、例えばプリンタのデフォルト設定と異なったトレイから給紙するようにしてほしいなど、特殊なカスタマイズの要望が寄せられることもあります。こうした要望は現地における業務そのものに直結しているため、スピーディに対応しなければならなりません。この点においてOpenPrint ソリューションは、詳細かつ柔軟なパラメータ設定が可能であり、とても救われています。もちろん、ユーザのあらゆる要求に私たちが自ら応えられるわけではなく、日本ヒューレット・パッカードへ問い合わせる場面もよくあるのですが、日本ヒューレット・パッカードはいつも即座に解決策を提示してくれます。こうした手厚いサポートも、私たち運用担当者の心強い支えとなっています」

オリンパスシステムズ株式会社 ビジネスシステム開発部 カスタマーサポートグループ 恩田 諭 氏

オリンパスシステムズ株式会社
ビジネスシステム開発部
カスタマーサポートグループ
恩田 諭 氏

オリンパスシステムズ株式会社 ビジネスシステム開発部 カスタマーサポートグループ 森 正大 氏

オリンパスシステムズ株式会社
ビジネスシステム開発部
カスタマーサポートグループ
森 正大 氏

総合帳票システム概略図

総合帳票システム概略図

あらゆる業務アプリケーションの帳票を段階的に統合

医療系販売物流システムを無事に稼働させたオリンパスは、引き続き映像系販売物流システムのオープン系への移行に取り組んでいる。2007年5月のカットオーバーを目指すこの映像系販売物流システムの帳票やプリンタ出力についても、総合帳票システムに統合していく考えだ。

「デジタルカメラなどを扱う映像系販売物流システムは、取り扱う商品点数が多く、ユーザ層も関連会社のオリンパスイメージング株式会社にまで及びます。総合帳票システムで管理する帳票数やプリンタ数も必然的に大幅に増加します。おおよそ現状の2倍くらいに増える予定ですが、これまでの運用実績から考えて、まったく問題なく運用に耐えられると判断しています」と金澤氏は自信を見せる。

一方でオリンパスは、会計システムや人事システム、修理サービスシステムなど、医療系販売物流システムに先立って稼働を開始した各業務アプリケーションで扱う帳票やプリンタについても、総合帳票システムへの統合を順次進めている。オープン系への移行、ひいてはオリンパスが進める業務改革を、帳票処理の一元化という側面からOpenPrint ソリューションが支えているのである。

 

会社概要

オリンパス株式会社

所在地:東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス

URL:http://www.olympus.co.jp/jp/ 

オリンパス株式会社 ロゴ
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本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス・ソリューション

導入ハードウェア

  • HP 9000 rp4440
  • HP 9000 rp3410

導入ソフトウェア

  • OpenPrint/ASM
  • OpenPrint/MAID
  • OpenPrint/intranet
  • OpenPrint/FORM プリントエンジン
  • OpenPrint/FORM レイアウトエディタ

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